前回、膝痛の運動についてお伝えしたのを覚えているかな?
そうしたらこんな質問を頂いた。
「マツナガさん、あんな簡単な運動で本当に効果があるんでしょうか?」
「信じられません」
ってね。
そんなわけで、今日はこの質問に答える意味も含めて、
膝痛の運動について補足していこう。
<なぜ、簡単な運動でも効果があるのか?>
では、いったいなぜ効果があるのか?
そのへんから補足していこう。
変形性股関節症は通常ゆっくりと進行していく。
こういった病気のことを”変性疾患”と呼んだりするんだけど、
変性疾患には、ある程度症状が進行するまで痛みがでないんだ。
そしてある日、ささいなことをきっかけにして”少し”痛みが出始める。
お客さんに「いつころから痛みが出たんですか?」なんて聞くと、
「うーん…なんとなく気がついたら痛くなっていて…」
なんて言う人はこのパターンだね。
その痛みが少しで止まれば問題ない。
でも、痛みを我慢したり、無視をして動かしたりすると、さらにその痛みが強くなる。
痛みが強くなると、膝をかばおうとして膝に体重をかけないようにする。
これが、膝痛をいっそうひどくしてしまう原因の1つ。
<お決まりのパターン>
こうなると、いつものお決まりの悪循環に突入だ。
足に体重をかけずにかばい歩き始める→大腿の筋肉が衰え出す→
→その結果、膝の負担がさらに増える→さらに膝をかばい関節を動かさなくなる→
→関節の潤滑油(ヒアルロン酸)が不足する
この悪循環で、膝の痛みはどんどん治りづらくなってしまうんだ。
<ポイントは関節液>
関節を満たすヒアルロン酸が潤滑油としての役割を果たすためには、
ヒアルロン酸の”量”が重要。
しかも、膝の関節の軟骨には血管がない。
ということは、膝を修復するために必要な、
酸素や栄養を関節液から補わなければならない。
そして、その関節液を入れる”関節包”が新しい関節液を作り、
古い関節液を吸収する。
だから、関節をよく動かして、
関節液をかき混ぜるなければならないというわけ。
そうすることによって、
軟骨の新陳代謝を助けることができるんだ。
これが、膝痛でも関節を動かさなければいけない理由。
膝の運動は、関節液(ヒアルロン酸)を作ることと、
大腿の筋肉を鍛えることの両方の効果がある。
だかこそ、簡単な膝の運動でも効果があるというわけ。
理解できたかな?
<大腿の筋肉と膝痛の関係>
大腿の筋肉のことを”大腿四頭筋”という。
こんなことは説明するまでのないと思うけど、
大腿四頭筋は主に、上半身を持ち上げると同時に、
膝を支える役割している。
でも、ここで大事なのは、その”持久力”。
膝の運動の部分でも話したけど、
膝の運動が10回や20回でしんどくなるのは、
大腿四頭筋が弱くなっている証拠。
そもそも、大腿四頭筋は何十キロもある上半身を支えているわけだから、
わずか10キロそこそこの膝から下の部分が重たく感じられるようでは、
膝を支えるのもしんどくて当たり前。
これも膝を弱らせる原因の1つ。
だからこそ、「膝から下の足を持ち上げるなんてわけないぜ」
と言えるようになるまで、運動を続ける必要があるんだ。
頑張って運動を続けていると
潤滑液の中のヒアルロン酸も増えてくる。
そうすると、軟骨の新陳代謝も活発になる。
その結果、膝の痛みも治りやすくなるというわけ。
まさに、一石三鳥だね。
さて、どうだったかな。
今回は、膝の運動に関する質問を受けて、
それを補足する形でお伝えした。
もう何度も何度も言っているけど、
痛みはその原因をしっかりと把握することが重要。
そうすれば、対処方法もわかる。
ということは、もしかしたら骨の調整や
筋肉の調整なんていらない場合もあるかもしれない。
お客さんは、少しでも痛みが和らげばいいと思っている。
必要のない手技は、”こちら側のエゴ”でしかないよね。
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